大根は、生で食べても煮ても美味しい万能な野菜ですが、時には苦みが強いものに出会うこともあります。そんな時には、苦みの原因と対策を知っておくことで、大根を無駄なく美味しく楽しむことができます。この記事では、次のような内容に焦点を当てて紹介します。
・大根の風味を良くする方法
・大根を下処理するコツ
・風味を良くした大根の利用方法
・苦みが少ない大根の品種
それでは、1つずつ詳しくみていきましょう。
大根の風味を良くするコツ
大根の風味を整えるのに電子レンジはとても便利です。茹でるよりも時間を節約できるため、忙しい時にも役立ちます。苦味の原因を把握しておくと、状況に応じて大根の風味を最適に調整することが可能です。
電子レンジの使用と他の方法の比較
電子レンジは便利ですが、大根の苦味を減らす最良の方法とは限りません。しかし、時間がない時には、電子レンジを使って簡単に大根の苦味を軽減することが可能です。
●電子レンジによる苦味軽減の手順
1. 皮をむいた大根を好みの大きさに切る
2.大根が重ならないように、耐熱容器に並べる
3. 大根が半分くらい浸かる量の水を加え、ラップをする
4. 500Wで5分加熱後、大根を裏返して再度ラップをし、5分加熱する
5. 加熱後は水につけて冷ます
●注意点
加熱後の大根は非常に熱いため、取り扱いには注意が必要です。
電子レンジ以外での苦みを減らす方法
電子レンジ以外にも大根の苦味を減らす方法はあります。これらの方法を適用するためには、大根の苦味の主な原因を理解することが大切です。大根の苦味には複数の原因があります。
・大根の上部と下部の味の違い
大根は、葉に近い上部と根に近い下部で苦味の度合いが異なります。上部は比較的苦味が少ないのに対して、下部は辛みや苦味の成分が多く含まれているため、苦味が強くなります。同一の大根でも上部と下部では味に違いがあるのです。
・大根の皮付近の特性
大根の皮の近くには辛味や苦味を含む繊維質が密集しています。この部分の苦味を軽減するには、皮をやや厚めに剥くことが有効です。
・季節による大根の味わいの変化
スーパーマーケットでは一年中大根が手に入りますが、本来の旬は冬です。冬に収穫される大根は甘みが増して苦味が減少するのが特徴です。対照的に、夏に収穫される大根は冬のものと比べて甘みが少なく、苦味が強めになる傾向があります。
大根の下処理のポイント
生で食べることもできる大根ですが、そのままでは辛みや苦みが目立つことがあります。煮物にするときにも、味の染み込みが悪く、時には苦みが気になることも。美味しく食べるためには、適切な下処理が大切です。
塩茹ででの下処理方法
大根を塩茹ですることで、一度に多くの料理に使えるように準備できます。塩味がつくため、そのままドレッシングや味噌だれをかければ簡単に副菜を作ることもできます。
●塩茹での作り方
1. 皮を剥いた大根を好きな大きさに切る
2. 鍋に切った大根を入れ、水を大根が完全に浸る程度に加える
3. 小さじ1~2の塩を入れ、沸騰させる
4. 大根が柔らかくなるまで10分ほど煮る
大根の苦味を減らす簡単な方法
秋から冬にかけて収穫される大根は通常、甘みがあり苦味が少ないのが特徴です。苦味が苦手な方は、この季節の大根を選ぶことがおすすめです。特に、皮近くは苦味や辛みを含む繊維が多いため、皮を約5mm残して厚めに剥くと良いでしょう。
サラダなど生で食べる際は、大根の上部を使用すると味がより良くなります。
苦味が気になる大根を料理する場合、米のとぎ汁での下茹でが効果的です。とぎ汁に含まれるデンプンが大根の苦味成分を吸収し、さらに大根に含まれる成分がデンプンと反応して糖を作り出します。これにより、通常の水で茹でるよりも甘みのある大根が完成します。
大根の辛味を和らげる方法
大根をサラダにする際、辛味を減らすためには千切りにした大根を水に浸すことが一般的です。ぬるま湯に3分ほど浸すのも良い方法ですが、熱すぎる水だとシャキシャキ感が損なわれます。
煮物に使う場合、米のとぎ汁で下茹でするのが一般的ですが、とぎ汁がない時は、米を直接加えることもできます。大さじ1程度が適量です。米がない場合は、デンプンを含む片栗粉を使うことで同じ効果を得ることができます。
苦みを減らした大根のアレンジ方法
苦味を抑えた大根を美味しく活用する方法をいくつかご紹介します。
大根サラダ
シャキシャキとした食感が特徴の大根サラダは、辛味や苦味を減らしつつ食感を保つために、繊維の流れに沿って千切りにすることがポイントです。
厚めに剥いた大根を繊維に沿って薄くスライスし、重ねてからさらに繊維に沿って千切りにします。この千切りにした大根を冷水に5分ほど浸すと辛味が取れ、パリッとした食感になります。しっかり水切りをしてから盛り付ければ、おいしい大根サラダができあがります。
大根おろし
辛味が少ない大根おろしを作るためには、大根の上部を利用し、円を描くようにしてやさしくおろすことがポイントです。強く押しすぎたり、細かい目のおろし金を使うと、辛味が増す可能性があります。粗目のおろし金を使用して、優しくおろすようにしましょう。
それでも苦味や辛味が気になる場合、おろした大根をしばらく置いておくのも一つの方法です。大根の辛味成分には揮発性があり、時間が経つにつれ苦味が和らぎます。また、電子レンジを使った加熱も効果的です。ただし、長時間の加熱は避け、食べる直前に500Wで10秒程度加熱することがおすすめです。
苦味が少ないおすすめの大根品種2選
食べやすく苦味が控えめな大根の品種はいくつか存在します。その中から特におすすめの2品種を紹介しましょう。
やよい美人
この品種は初夏に収穫される夏大根で、特徴は苦味が少なく柔らかな食感です。
早太り聖護院
丸型のこの大根品種は、甘みが強く、生食や煮物にも向いています。主な収穫時期は秋から冬です。
まとめ
今回は「大根の苦味を取る方法」について様々な方法をご紹介しました。
重要なポイントは以下の通りです。
– 電子レンジを利用すると、大根の苦味を緩和できる
– 米のとぎ汁での下茹では、さらに苦味を減少させる
– 大根の皮を剥く厚さや使用する部分に注意すると、苦味が軽減される
大根は様々な料理に使える便利な野菜ですが、苦味があると食べづらくなることもあります。そんな時は、調理前の下茹でなど工夫してみましょう。